乱雑に置かれた面状柔軟物体に対する把持点抽出・把持・展開・整列操作を行うロボットシステム
本研究では,乱雑に置かれた面状柔軟物体に対して把持点を抽出し,把持,展開,整列の一連の操作を実現する新たな手法を提案している.
物体をうまく取り出すことに主眼を置く従来のアプローチとは異なり,本手法は,乱雑に置かれた面状柔軟物体の状態を認識し,整列プロセスを容易にするために,吊り下げ中に物体下部に明確なコーナーが1つだけ現れるようにすることを目指す.
セマンティックセグメンテーションを,乱雑に置かれた面状柔軟物体のコーナーやエッジを検出するために用いており,その情報から面積,予測確率,深度,物体の輪郭からの距離などの様々な特徴に基づいて最適な吊り下げ点を特定している.
乱雑に置かれた面状柔軟物体の最下点に明確なコーナーが存在することを保証することを目標に,新たに設計したマルチタイムステップフィルタと画像鮮明化技術を導入し,コーナーとエッジ検出の安定性と精度を向上させた.
乱雑に置かれた面状柔軟物体に対して行われた一連の実験を通して,提案手法はランダムに抽出した把持点と比較して,コーナー把持の成功率を大幅に向上させることを確認し,タスクを実現した.
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References
- Taohan Wang, Mamoru Oka, Kenichi Murakami, Shouren Huang, Hirofumi Sumi, Masatoshi Ishikawa and Yuji Yamakawa: Robot system for sequential suspending point selection, grasping, spreading, and aligning manipulation of randomly placed towel-like objects, Robotics and Autonomous Systems, 105053 (2025) [link]
- 岡衛,村上健一,黄守仁,角博文,石川正俊,山川雄司: 面状柔軟物の展開に向けたコーナーの状態認識と把持動作計画, 第39回 日本ロボット学会学術講演会 (RSJ2021) (オンライン開催, 2021.9.11)/講演論文集, 3F1-01 (2021).